鳥鍋

かの鬼平犯科帳の長谷川平蔵が愛した、深川・五鉄の「軍鶏鍋」は、江戸時代の一献としてはよく出来た食物だ。
東京・池之端に鳥鍋の「鳥栄」という名店がある。五鉄を思わせる、いやそれ以上の鳥鍋だ。
鍋に和だし「あたり」を煮出す。酒を少量入れる。
鍋に鳥肉、長ネギ、焼豆腐を入れて煮て、それを大根おろしに醤油を垂らし、一緒に口に運ぶ。
日本酒の熱燗が似合う。
白ワインも友達になれる。
最後はごはんに大根おろしをのせて、鍋の出汁を掛けて頂く。何故か沢庵が合う。
鯔背(いなせ)な料理には、さっぱりとした色気がある。

料理 九見 竜(きわみりゅう)

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