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茶香服(ちゃかぶき)とは?満点優勝の茶師がすごい理由~二十四節気「小満」~


新緑の美しい季節ですね。皆様、お元気ですか。こんにちは!伯龍庵京子です。皆さんは「茶香服(ちゃかぶき)」って聞いたこと、ありますか?実は京子は先日、京都宇治で行われた茶香服の大会に参加してきました。今回はそのときのご報告をさせてくださいね。

「茶香服(ちゃかぶき)」って何?

茶香服は、言ってみればお茶のテイスティングで、一度飲んだお茶の風味を記憶して、あとで飲んだお茶の中からそれを当てるゲームです。歴史はとっても古くて、なんと中国の唐時代が起源だそうです。日本には鎌倉末期から室町時代に伝わってきて、貴族の遊びとして広まりました。そして今も、お茶を製造したり、楽しんだりする人の間では、お茶の色・香り・味を聞きわける遊びとして行われています。お茶の品質を見分ける関係者にとっては、不可欠の訓練ですね。

お茶の名は「花」「鳥」「風」「月」「客」


さて、「茶香服大会」の当日、会場にワクワクしながら入っていくと、すでに外国人も含め70名近い参加者が集まっていました。席に着くと、「花、鳥、風、月、客」とお茶の名が書かれた表があります。京都の玉露2種が「花、鳥」。京都・静岡・鹿児島の煎茶3種がそれぞれ「風、月、客」で、この5種を当てていきます。何とも貴族風の奥ゆかしい名ですね。さてゲームのやり方ですが、まずは「拝見」。乾いた茶葉が順に回ってくるので、色、外観、香りの特徴をメモして記憶します。次に「試飲」。5種のお茶を煎じた小さな湯呑みが一つずつ順に来るので、見て、香って、飲みながら5種のどれか決め、シートに「自分の正解」のシールで貼って提出。これで第1回が終了し、「本当の正解」が発表されます。この「試飲」を5回繰り返して、点数を競うのです。実は京子は以前に一般の人向けの茶香服に初めて参加したとき、優勝したことがあり、そのときに出会ったのが茶酵素本舗の茶師だったのです。

「お茶は飲むなよ!」と師匠のアドヴァイス


会場に入る前、京子は、この茶師の師匠に電話してみました。「また参加するんです」と言うと、師匠は開口一番、「お茶は飲むなよ」。「え!?飲まないんですか?」。「そうだ、香りの記憶だけですすめるんだ」。そうでした!全部で25杯も飲むから、マトモに飲んだら味覚がマヒしてわからなくなるし、お腹もパンパンになります。そしてほとんどのお茶は乾いた状態の外見や香りで区別がつくんだそうです。だからまず「乾物」で自分なりにどれかを決め、「試飲」では香りを嗅ぎ、口をつけても「なめる程度」で決めていけと。やはり電話してよかった~。基本を再確認できました。

五感を磨くスピーディーなゲーム


さて、大きなお盆に山盛りの「乾物(お茶の葉)」がまわってきます。鼻を近づけて神経を集中させてクンクン。お隣のプロっぽいおじさんは、手でかき分けて香りを出してます。触ってもいいの? 真似してかき混ぜるけど、「早くお隣に回してください~」と係の人の容赦ない声。どんどん決めていかないといけません。この得もいわれぬ香りは「花」か? メモに書き入れると、すぐ次の乾物がやってきます。乾物を5種類嗅ぐと、いよいよ煎じたお茶の登場! 喉がカラカラでしたが、そこはぐっと我慢。「水色(すいしょく)」と呼ばれる色を見て、香りを嗅ぎ、なめる程度に口に含み、さっきの5種類の乾物のうちのどれに近いのか想像しながら、決めていきます。次のお茶がすぐ来るので、スピードも必要。視覚、嗅覚、味覚のほかに、第六感も総動員です!

優勝したのはどんな人?


こんな感じで5回戦。全部で25杯をテイスティングしました。全員の点数がホワイドボードに書き込まれていきます。優勝者は25点満点のうち21点で、満点はいませんでした。ちなみに京子は、今回は入賞に及ばず。高級茶だから美味しいという固定観念のせいで、間違いをしました。そんな固定観念を捨てて、純粋に香りに集中しないといけないのでした。師匠の直前アドヴァイスをうまく生かせなくて残念!まだまだ甘いなあと思いました。

満点優勝茶師のすごさがわかった


終わったら師匠に電話してみました。「今回は固定観念にとらわれてしまい、とても悔しかったです」「あはは、まだまだやな」「師匠が満点優勝したときはどんなでした?」「一日かけてやるんだ。午前中は乾物だけで、玉露5種と煎茶5種。次は品種別に5種。次は同じ品種の一番茶から五番茶までを区別する。これで20点満点。」「すごい!乾物だけで産地を特定するんですね」「そうだよ。そして午後になるといよいよ闘茶だ。五種類を今度は煎じて味わい、区別する。これで20点。午前と合わせて40点満点だね」「それで師匠は40点だったんですね!」「まあね。45歳のときだったかな」「お茶以外の香りも嗅ぎ分けますか?」「100メートル先で誰かが食べてるキャンディの香りもわかるよ」「ええ~!!」という具合・・・。
前にも後にも、京都府のこの品評会で満点優勝したのは、師匠だけだそうです。全国でなく京都府の品評会なので、出されるお茶の風味は似ています。九州と本州の茶の違いをわかっても、京都府内の宇治と旧田辺の違いはむずかしい。茶香服に参加してみて改めて、満点で優勝した師匠のすごさがヒシヒシとわかりました。

茶師の優れた感覚を生かす農薬不使用(※)宇治茶


今年も間もなく、茶酵素本舗でも新茶ができてきます。茶酵素本舗のお茶はこの満点優勝の師匠が、京都和束で農薬を使わない茶畑で愛情を込めて栽培した茶葉を使い、師匠のすぐれた感覚で製茶されています。甘みにだけに注目することなく、お茶が日本に伝わってきた1000年の歴史に立ち戻り、お茶本来の風味を最大限に引き出したお茶づくりで皆さんに最高のお茶を提供したいという茶酵素本舗の想いを、この師匠が実現してくれています。

(※農薬:栽培期間中不使用)


茶酵素本舗の茶畑の新茶摘みは5月末。新茶は6月初旬の発売予定です。準備ができましたら、HPやメルマガでご案内しますので、ぜひ、この特別なお茶の新茶を味わってみてください。

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二十四節気「小満」

「小満」は「しょうまん」と読み、万物が成長する「気」が、天地に満ち始める時期であることから「小満」の名があります。麦の穂が育ち、梅の実もつき始め、走り梅雨(梅雨に入る前のぐずつく天候のこと)もあります。そして6月1日は衣更え。名実ともに夏になっていきます。
次回、6月6日「芒種(ぼうしゅ)」のメルマガは「今さら聞けない、お中元、暑中お見舞い、残暑見舞いの違いと贈る時期」です。お楽しみに。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

二十四節気メルマガ担当:伯龍庵 京子

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