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「日本茶」は飲みすぎないほうがよい?私が農薬を使わないお茶を選ぶ理由~二十四節気「立夏」~


「夏も近づく八十八夜~♪」の茶摘み唄にあるように、茶摘みの季節の季節がやってきました。今年の八十八夜は5月2日。京都宇治でもお茶の新芽が育ち、今年一番の新茶の茶摘みが始まっています。
こんにちは! 茶酵素本舗の伯龍庵京子です。
新しい元号「令和」も始まりました。茶酵素本舗はこの新しい時代も、お茶づくりを通して、すべての人が、麗しく和やかに健やかに人生を謳歌できますよう、願っております。この千年来、日本人を幸せな気持ちにする飲み物として続いてきたお茶。中国から日本に伝わってきた当初の、パワー溢れる、より香り高いお茶として皆様に楽しんでいただけるよう、これからも、農薬を使わない茶畑を少しでも増やしていきたいと思っております。

茶摘みの季節になりました!

八十八夜も過ぎて、茶摘みの季節になりました。新茶摘みはその年の最初の茶摘みなので、待ち遠しさも格別です。ところで玉露や抹茶用などの高級茶の茶畑では、新芽が出る時期に、黒い布(昔は稲わら)で畑全体を覆って日光を遮る覆下(おおいした)栽培が伝統的に行われます。日光を遮ることで茶葉の渋みや苦みの成分が抑えられ、甘みや濃厚な旨味の成分が増すのです。そして現代では、旨味をさらに増すために、肥料をたっぷり与え、病害虫防除のため、年に4~5回は農薬を散布します。肥料が多いと虫も多くやってくるので、使わざるを得ないと聞いたことがありますが、新茶摘みの直近だと3月頃に散布することが多いようです。現在の高級茶は甘みや旨味を追求するため、一般にこのように育てられています。

千年の歴史の中で、戦後から大きく変わったお茶づくり


千年続いてきた日本茶は、当然ながら、農薬を使わずに作られてきました。
日本へはまず遣唐使が中国から持ち込み、その後、禅僧が抹茶の飲み方を再輸入し、千利休や武将茶人らによって茶の湯文化が広まりました。また江戸時代には黄檗僧(おおばくそう)によって煎茶文化が伝わり、現代の飲み方につながる蒸し煎茶製法を宇治の永谷宗円が発明し……と、日本だけでも千年の歴史が。この長い歴史の中で、化学的な農薬が多く使われるようになったのはごく最近、たった70年前からです。日本人が長いこと親しみ、また魅力を感じてきたお茶は、当然ながら農薬を使わないお茶でした。

農薬不使用や有機栽培のお茶が少ない現状


急須でお茶を入れる人が少なくなったといいますが、京子はもちろん毎日お湯を沸かし、急須で淹れたお茶を飲んでいます。ところが、あるとき事情通の友人に「お茶は一日に3杯以上飲んだらダメよ」と言われて、びっくりしたことがあります。なぜかというと、茶葉の農薬残留基準というものがあって、お茶は大量摂取するものでないので野菜などと比べて基準値が甘く、計算すると1日3杯くらいが適当なのだとか。京子の飲むお茶は宇治の農薬不使用なのでその心配はないのですが、農薬不使用のお茶はまだまだ少ないのが現状です。海外ではオーガニック食品の需要が伸びていて、日本から輸出するお茶も有機栽培や農薬を使わないものがますます求められています。世界の流れは、農薬不使用なんです。

だから「煎茶」は「煎じて」飲む


当初、中国から日本に伝わったお茶は、鍋や薬缶で煎じて飲まれていました。「煎じて飲むお茶」だから「煎茶」と書いたのです。「煎じる」というのは、湯で煮出したり、沸き立つ湯の中に茶葉を投じたりすること。だから「煎茶」というのです。しかし、いまの煎茶は、煎じて飲まなくなってしまっています。

香りをたのしむ「中国茶」は沸騰した湯で淹れる


一方、お茶の本家中国ではどうでしょうか? たとえば、最高級中国茶のひとつ「大紅袍(だいこうほう)」は、たいへんパワーのある伝説のお茶ですが、香りを楽しむために沸騰したお湯で淹れます。あらかじめ茶器を温め、茶葉が踊り出すほどの勢いで熱々の湯を注いで香りを引き出すのです。茶酵素本舗のお茶も、沸き立つ湯に投じることで、香り高く美味しくなるお茶です。

中国の最高級茶は、自然栽培


中国茶の「大紅袍」は「岩茶」といわれ、福建省武夷山の土の少ない岩の隙間に、自然のままに育てられているといいます。もちろん農薬は使われていません。大地から、大気から、天からの自然のエネルギーを、根っこや葉から吸収し、力強く、得(え)もいわれない風味をもっています。まさに大地の恵みであるお茶だといえるでしょう。茶酵素本舗が目指すお茶も、このように大地からのパワーを受けた力強いお茶なのです。

甘みは玉露で楽しむ。煎茶はパワーあふれる香りを!


いまの煎茶は、玉露のように、冷ました湯で淹れて甘みを追求するものが増えてきました。そう、煎茶の味を玉露に近づけさせて製造しているのです。でも、甘みを追求するのなら、玉露をいただけばよいのではないでしょうか?
煎茶は、甘みを優先するのでなく「馥郁(ふくいく)たる香り」を楽しむことを追求するほうが、日本に伝わってきた当初の、パワーある煎茶の素晴らしさを継承していけるのではないかと思うのです。中国の岩茶のように、自然のエネルギーで育つ、農薬を使わないお茶。それを茶酵素本舗は、作っています。

20年間農薬不使用(※)の「伯龍」と「香りの芸術ほうじ茶」


茶酵素本舗の煎茶「伯龍」やほうじ茶「香りの芸術ほうじ茶」を作る茶畑は、京都宇治のさらに奥、和束(わづか)町にある茶畑で、この20年間農薬を使っていません。寒暖差があり、朝は涼しく、日中はよく日が照り、茶樹の生育に適しています。他所の通常の茶畑は、年に4~5回は防虫のために茶葉に農薬を散布しますが、茶酵素本舗のお茶を作るエリアでは一切、農薬は使いません。そのため、見守りや手入れなどに手がかかるのは事実ですが、安心して一日何杯でも飲め、お茶を淹れたあとの茶葉をそのまま食べても安心なお茶が作られているのです。

(※農薬:栽培期間中不使用)

茶酵素本舗の新茶摘みは、5月末


日本列島での茶摘みは、あたたかい南の産地、鹿児島の知覧(ちらん)から始まり、福岡の八女(やめ)、京都の宇治、静岡と北上していきます。茶酵素本舗の茶畑は、京都宇治の山の中、和束にあり、山に囲まれた涼しい場所で、ゆっくりと新芽が芽吹きます。農薬に頼らないお茶をつくるため、通常より遅く、5月末頃の茶摘みになります。そこから製茶が始まり、袋詰めなど商品になるのは6月初旬。今年の新茶は、よりいっそう香り高い、煎じて飲むことに適したお茶になるよう、製茶工程ではさらに繊細に、心を込めて茶作りさせていただきます。

「新茶」は、6月上旬から

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高い温度で淹れる煎茶は、中国茶のように、香りをひきたたせます。
茶酵素本舗のお茶は、この「香り」を大切にしています。約20年以上、1997年から、農薬不使用(※)でつくっていますが、お茶の樹が、年々、本来の姿に戻っているようで「蒼い香り」が強くなってきており、茶師と共に感動しています。ぜひとも、その香りの違いをみなさまと共に感じることができれば幸いです。今年も、日本に伝わってきたときのようなパワー溢れるお茶を皆さまに飲んでいただけるよう、よりいっそう香り高い、農薬不使用(※)のお茶づくりを研鑽してまいります。茶酵素本舗の新茶は、6月上旬より販売開始できる予定です。

(※農薬:栽培期間中不使用)

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二十四節気「立夏」


「立夏」は「りっか」と読み、暦の上では夏の始まりの日。この日から立秋の前日までが「夏季」となります。新緑が美しく、蛙も鳴き出し、田んぼの土づくりも始まり、風もさわやかで気持ちよい季節ですね。
次回、5月21日「小満(しょうまん)」には、南北朝時代の「闘茶」の伝統をひく「茶香服(ちゃかぶき)とは?」をお届けします。お楽しみに。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

二十四節気メルマガ担当:伯龍庵 京子

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